---- 今、ソフトウェアの時代 ----

私の住んでいる大村市は、古い城下町で、歴史に名を残す人物を輩出した土地です。大村の出身である長与専斎は、日本の医学の近代化に巨大な功績を残した人です。専斎は漢方医学史においても、忘れてはならない人で、彼の主導で、医師免許は西洋医学を勉強した者にのみ与えられることになりました。結果的に、漢方を公的な医療体系から締出すこととなり、漢方は滅亡寸前の瀬戸際に追いつめられたのです。(代々の漢方医の家柄であった専斎にとって、これは本意ではなかったようです。)
漢方が一旦亡びかかった最大の要因は、時代の要請に応えられなかった事が原因でしょう。「殖産興業」・「富国強兵」を目指した明治時代においては、軍陣医学が何よりも優先されたのです。人間という複雑な生物のハードウェアを治療する技術こそ急務でした。戦前戦後を通じて、西洋医学はこの流れに乗って、大きな発展を遂げました。
現代社会において、漢方がふたたび注目されているのは、西洋医学が多様化する医療ニーズに応えきれなくなったためだと思われます。心身症、更年期障害、冷え性、生活習慣病、アレルギー疾患など、どれをとっても人間を機能させるためのソフトウェアに異常を来たしている病態です。
漢方は、癌や外傷など、明らかなハードウェアの異変には不向きです。ソフトウェアのコントロールにこそ、その力を発揮できるのです。私は、人間のソフトウェアの根幹をなすものとは、“心”そのものだと考えています。
漢方では、はるか昔から“心身一如”を説いています。体の治療とともに、心を癒すことを大切にする医療を、今後も続けて行きたいと思います。

Dr.前川(院長:前川靖裕)の経歴

昭和60年 
昭和60年

平成10年
平成10年
  10月22日

長崎大学医学部卒業
長崎大学第2外科入局
以後、第2外科関連病院にて研修、診療を行う。
長崎大学第2外科退局
前川クリニック開設
 




前川クリニック
院長:前川 靖裕
〒856-0027 大村市植松1-497-4
TEL:0957-53-6866
診療時間
平 日 午前  9:00〜12:30
午後  2:00〜6:00
水・土 午前  9:00〜13:00
※往診行います。急患可

漢方診療および一般外科消化器科リハビリテーション科の診療も行っています。
希望される方には鍼治療を行っていますが、原則として予約が必要です。
なお、初診の方は、症状により、予約なしでも鍼治療を行います。
漢方相談は漢方相談室、またはメールよりお気軽に御相談下さい。